カフェ経営は儲からない?利益が残る店・残らない店の違い
「カフェを開業したいけれど、カフェは儲からないと聞くから不安」
これからカフェやコーヒー屋を始めたい方の中には、そんな疑問を持っている方もいると思います。
僕自身、これまでコーヒー屋やカフェを経営してきました。
その経験から先に結論を言うと、
カフェは「儲からないビジネス」というわけではありません。
ただし、
普通にお店を作って、普通に営業していれば、自然と利益が残るような簡単なビジネスでもない
と感じています。
では、なぜ「カフェは儲からない」と言われるのでしょうか。
そして、どんなお店なら利益を残しやすいのでしょうか。
今回は、実際に店舗を経営してきた経験から考えてみます。
カフェが儲からないと言われる理由
カフェ経営で利益を残すのが難しくなる理由はいくつかあります。
その中でも大きいのが、
固定費・人件費・売上の変動・自分自身の労働
です。
順番に見ていきます。
1. 店舗を持つと、毎月固定費がかかる
まず大きいのが、店舗を維持するための固定費です。
例えば、
家賃、光熱費、通信費、設備のリース代など。
こうした費用は、お客様が多い日でも少ない日でも基本的には発生します。
今日は忙しかった。
でも明日は暇だった。
そんな日があっても、その分家賃が安くなるわけではありません。
店舗ビジネスには、
売上が落ちた月でも、一定の固定費は残る
という難しさがあります。
特に家賃が高かったり、大きな店舗を借りていたりすると、毎月必要になる売上も大きくなります。
そのため、開業時に「いい場所だから」「広くて理想的だから」と物件を決めるだけではなく、
この固定費を無理なく払い続けられるか
という視点も大切です。
2. 売上を増やすと、人件費も増えやすい
次に大きいのが人件費です。
カフェは、人の仕事に支えられている部分が大きい業種です。
注文を受ける。
ドリンクを作る。
料理を作る。
洗い物をする。
清掃をする。
お客様が増えれば、それだけ仕事量も増えていきます。
席数を増やしたり、営業時間を長くしたりすれば、スタッフが必要になることもあります。
すると、
売上は増えたけれど、人件費も増えた
ということが起こります。
そのため、
売上を増やせば、そのまま同じ割合で利益も増える
とは限りません。
売上だけではなく、その売上を作るためにどれくらいの人件費が必要になるのかまで考える必要があります。
3. カフェの売上は毎月安定するとは限らない
実際にカフェを経営していて難しいと感じるのが、売上の変動です。
飲食店には、毎日同じ人数のお客様が来るわけではありません。
曜日によって違いますし、季節によっても変わります。
天候にも左右されます。
僕は新潟でコーヒー屋をやっていますが、冬に雪が降れば、
「今日は外に出るのをやめよう」
という方が増えることもあります。
一方で、季節によってコーヒー豆の販売が伸びる時期もあります。
つまり、
売上は変動するけれど、家賃などの固定費はそれほど変わらない。
ここがカフェ経営の難しいところの一つです。
「今月100万円売れたから、来月も100万円売れるだろう」
とは簡単には考えられません。
売上が少ない月でも続けられるような固定費の設計が重要になります。
4. 自分自身の労働に依存しやすい
もう一つ、カフェ経営で見落としたくないのが、自分自身の働く時間です。
小さなお店の場合、
朝から仕込みをする。
営業する。
接客する。
コーヒーを淹れる。
閉店後に片付ける。
発注する。
経理をする。
僕の場合であれば、さらに焙煎もあります。
一人で営業するお店なら、これらをほとんど自分でやることもあります。
すると、
「今月30万円残ったから儲かった」
と思っていても、その30万円を残すために自分が毎日長時間働いていた、ということもあります。
だからカフェ経営では、
利益がいくら残ったかだけではなく、その利益を得るために自分が何時間働いたのか
も見ておく必要があると思います。
売上や利益だけを見ると良さそうでも、自分が休めない状態では長く続けるのが難しくなることがあります。
カフェそのものが儲からないわけではない
ここまで読むと、
「やっぱりカフェって儲からないんじゃないか」
と思うかもしれません。
でも、僕はそういうことではないと思っています。
カフェそのものが儲からないというより、
利益が残りにくい形でお店を作ってしまうと、経営がかなり難しくなる
ということです。
例えば、
家賃の高い物件を借りる。
必要以上に大きな店舗を作る。
最初からスタッフを何人も雇う。
高額な設備をたくさん入れる。
メニューを増やしすぎる。
こうして毎月必要なお金が増えていくと、そのお店を維持するために、常に大きな売上が必要になります。
売上が少し下がっただけでも、経営が苦しくなりやすくなります。
利益を残しやすい店は「必要な売上」が小さい
反対に、
小さなお店から始める。
一人、もしくは少人数で運営する。
メニューを絞る。
家賃を抑える。
必要以上の設備投資をしない。
こうすることで、
お店を維持するために必要な売上そのものを小さくする
ことができます。
例えば、月商200万円を作らなければ成り立たない店よりも、月商100万円で必要な利益が残る店の方が、自分に合っている場合もあります。
もちろん、スタッフを増やしたり、店舗を増やしたりして売上を大きくし、利益を増やす方法もあります。
それも一つの経営の形です。
ただ、
「儲けるためには、売上をどんどん大きくしなければいけない」
とは限りません。
必要な売上を小さくして、その中でしっかり利益を残す。
そういう経営の考え方もあります。
店舗だけで売上を作らなくてもいい
僕自身、コーヒー屋をやってきて感じているのが、
店舗に来てもらうことだけで、すべての売上を作らなくてもいい
ということです。
例えばコーヒー屋であれば、
コーヒー豆の販売。
オンラインショップ。
飲食店や小売店への卸売。
テイクアウト。
教室やイベント。
など、店舗の席数とは別のところで売上を作る方法があります。
もちろん、何でも始めればいいわけではありません。
お店の特徴や、自分が得意なことに合った方法を選ぶ必要があります。
ただ、
「来店客数を増やすことだけ」に売上を依存しない
という考え方を持っておくと、経営の選択肢は増えます。
天候や席数、営業時間などの制約を受けにくい売上があることも、店舗経営では一つの強みになります。
売上を増やすことだけが、利益を増やす方法ではない
カフェを経営していると、
もっと売上を増やしたい。
席数を増やしたい。
営業時間を長くしたい。
スタッフを増やしたい。
と考えることがあります。
もちろん、それが必要な場合もあります。
でも、
売上を増やすことだけが、利益を増やす方法ではありません。
家賃などの固定費を抑える。
無理のない人数で運営する。
メニューを絞る。
作業効率を良くする。
店舗以外の売上を作る。
こうした方法によって、売上を大きく増やさなくても利益を改善できる場合があります。
大事なのは、
どれだけ売上を作ったかではなく、自分に必要な利益を無理なく残せているか
だと思います。
「月商いくら」より先に考えたいこと
これからカフェを開業する方は、
「月商100万円を目指したい」
「月商200万円のお店を作りたい」
と考えることもあると思います。
でも、その前に考えてほしいことがあります。
自分は毎月どれくらいの収入が必要なのか。
どれくらいの時間働きたいのか。
どこまでリスクを取れるのか。
それが分かれば、
どれくらいの店舗が必要か。
いくらまでの家賃なら無理がないか。
スタッフは何人必要か。
どれくらい設備投資できるか。
必要な月商はいくらなのか。
といったことを逆算しやすくなります。
売上目標ありきで店を作るのではなく、
自分が必要な利益と働き方から、お店の規模を考える。
僕は、その方が長く続けられるカフェを作りやすいと思っています。
カフェ経営は「儲からない」のではなく、設計が大切
「カフェ経営は本当に儲からないのか?」
僕の答えは、
儲からないわけではない。ただ、利益を安定して残し続けるのは簡単ではない。
です。
特に、
家賃や人件費などの固定費が大きすぎる。
自分自身がずっと働き続けないと売上を作れない。
毎月大きな売上を作らなければ維持できない。
こうした形になると、経営はかなり大変になります。
僕自身もこれまで、
「もっと売上を増やさなければ」
と考えた時期がありました。
でも今振り返ると、
売上を増やすことだけが正解ではなかった
と感じています。
大切なのは、
自分にとって必要な利益を、無理なく続けられる形で残すこと。
そのために、お店の規模・家賃・人件費・設備投資・働き方を考える。
それがカフェを長く続けるためには大切だと思います。
自分に合ったお店の規模や売上を整理したい方へ
これからカフェやコーヒー屋を始めたいけれど、
「自分の場合、月商はいくら必要なんだろう」
「どれくらいの規模の店が合っているんだろう」
「この家賃で利益は残る?」
「一人で営業するなら、どんな形が現実的?」
といったことを具体的に整理したい方に向けて、カフェ開業のお試しコンサルを行っています。
現在考えている店舗規模・家賃・客単価・営業日数・資金などを伺いながら、無理なく続けられるお店の形を一緒に整理していきます。
売上・利益については、こちらのページでもまとめています。
YouTubeでも「カフェ経営は本当に儲からないのか?」について解説しています。

