カフェ開業でお金をかけるべきところ・かけなくていいところ|開業資金の使い方
カフェやコーヒー屋を開業するとき、
「内装にはどれくらいお金をかけた方がいいのか」
「エスプレッソマシンや焙煎機は、最初から良いものを買った方がいいのか」
「500万円の開業資金が用意できたら、500万円すべて使ってお店を作った方がいいのか」
と悩む方も多いと思います。
僕自身、これまで実際にコーヒー店を作り、経営してきました。
その経験から感じているのは、使える開業資金をすべて使い切ってお店を作る必要はないということです。
もちろん、何でも安く済ませればいいわけではありません。
大切なのは、「お金をかけるところ」と「抑えるところ」を分けることです。
この記事では、カフェ開業でお金をかけすぎなくてもいいところと、逆にしっかりお金を使った方がいいところについて、実際の店舗経営の経験をもとに考えていきます。
店舗の規模・内装・外観には、お金をかけすぎなくてもいい
カフェを開業するとなると、
「せっかくなら広いお店にしたい」
「できれば立地の良い場所に出店したい」
「内装や外観にもこだわりたい」
と思う方も多いと思います。
もちろん、大きなお店や立地の良い店舗が悪いわけではありません。
ただ、まず考えたいのは、
自分が必要な売上や利益を作るために、本当にその規模や立地が必要なのか
ということです。
例えば10席ほどの小さなお店でも、自分に必要な売上や利益が作れるのであれば、最初から20席、30席のお店を作る必要はないかもしれません。
店舗が大きくなれば、家賃も高くなりやすく、内装する面積も増えます。
テーブルや椅子などの備品も必要になりますし、一度に対応するお客様が増えれば、スタッフを雇う必要も出てきます。
そのため、「大きなお店を作ること」を目標にするのではなく、
自分に必要な売上と利益を作れるお店を作ること
の方が重要だと思います。
内装や外観も同じです。
清潔感があり、お店のコンセプトが伝わり、お客様が気持ちよく過ごせる。
まずはそこを満たすことが大切です。
壁材を最高級のものにしたり、家具をすべてオーダーしたり、外観に大きなお金をかけたりすることが本当に必要なのかは、一度考えてみてもいいと思います。
僕だったら、**「お金をかけたお店」よりも「そのお店らしく、お客様が満足できるお店」**を目指します。
設備はすべて新品・最高級でなくてもいい
コーヒー店を開業すると、
エスプレッソマシン、グラインダー、焙煎機、冷蔵庫など、さまざまな設備が必要になります。
こうした業務用設備は、上を見れば本当にいくらでも高いものがあります。
エスプレッソマシンで数百万円、焙煎機ならさらに高額になるものもあります。
もちろん、自分が作りたい味や商品を実現するために必要な機械であれば、お金をかける価値はあります。
ただ、
「高い機械の方が良さそう」
「せっかく開業するなら新品がいい」
という理由だけで選ぶ必要はありません。
中古でも十分に使える機器はありますし、最初は必要最低限の設備から始めて、売上が増えてから買い替えることもできます。
重要なのは価格ではなく、自分のお店に必要なスペックを満たしているかです。
開業した時点ですべて最新・新品の設備を揃える必要はありません。
最初からメニューや商品を揃えすぎなくてもいい
設備だけではなく、メニューや商品も同じです。
開業するときには、
ドリンクをたくさん用意したい。
コーヒー豆も何十種類も揃えたい。
フードメニューも増やしたい。
物販商品もたくさん置きたい。
と考えがちです。
もちろん、お客様の選択肢が増えるメリットはあります。
一方で、商品が増えるほど仕入れも増え、在庫を抱え、仕込みも増えます。
営業中のオペレーションも複雑になります。
そして実際に営業してみないと、何がお客様に好まれるか分からないことも多いです。
そのため、最初はある程度数を絞り、
「この商品はよく売れる」
「こういう味が好まれている」
ということが分かってから増やしていく方が、無駄な費用を抑えやすくなります。
では、どこにお金をかけるべきなのか
僕が一番分かりやすいと思っている考え方は、
お客様が価値を感じる部分と、長く営業していくために必要な部分にお金を使うこと
です。
商品そのものの価値
コーヒー店であれば、まずはコーヒーがおいしいことが大切です。
どれだけおしゃれなお店でも、商品の魅力がなければ、また来たいと思ってもらうのは難しくなります。
そのため、
良いコーヒー豆を仕入れる。
自分が求める味を作れる焙煎機を選ぶ。
必要な品質を安定して出せるエスプレッソマシンを使う。
味に合ったグラインダーを選ぶ。
といったところには、必要なお金をかける価値があります。
ここでも「一番高いものを買う」ということではありません。
重要なのは、自分のお店が提供したい価値に合ったものを選ぶことです。
フードを提供する場合も同じです。
原価を下げることばかり考えて、商品の魅力がなくなってしまっては本末転倒です。
お客様がお金を払う理由になっているものには、しっかりお金を使った方がいいと思います。
お客様が快適に過ごせる部分
商品以外でも、お客様が直接感じる部分は大切です。
例えば、座っていて疲れにくい椅子。
暑すぎたり寒すぎたりしない店内。
清潔なトイレ。
適切な照明。
落ち着いて過ごせる空間。
こうした部分です。
すべて高級品にする必要はありませんが、削りすぎてお客様が「居心地が悪い」と感じてしまっては意味がありません。
見栄えのためではなく、お客様の体験を良くするためにお金を使うという考え方が大切です。
毎日の作業効率
カフェやコーヒー店では、同じ作業を毎日何十回、何百回と繰り返します。
コーヒーを淹れる。
材料を取り出す。
ドリンクを作る。
洗い物をする。
商品を提供する。
こうした作業を繰り返すため、少し使いづらい設備や悪い動線でも、長く続けば大きな負担になります。
厨房の動線が悪ければ作業時間が増えますし、場合によっては必要以上にスタッフを増やさなければならないこともあります。
逆に、設備の配置や動線を工夫することで、少ない人数でも効率よく営業できます。
見た目だけにお金を使うのではなく、毎日の仕事を効率よくするためにお金を使うことも、長く経営していく上では重要です。
開業後のためのお金も残しておく
そして、開業資金を考える上で忘れたくないのが、オープン後のためのお金を残しておくことです。
例えば500万円の開業資金が用意できたとして、500万円すべてを店舗づくりに使ってしまうと、オープンした瞬間から手元のお金がほとんどない状態になります。
しかし、開業した翌日から計画通りのお客様が来るとは限りません。
最初の数ヶ月は売上が少ないかもしれませんし、お客様が増えるまで時間がかかることもあります。
また、実際に営業してみて、
「この設備が必要だった」
「ここは改善した方がいい」
と分かることもあります。
そうしたときに使える資金があることは、かなり大切です。
例えば500万円用意できたのであれば、そのすべてを使うのではなく、400万円程度で店舗を作り、残りを開業後のために持っておく。
もちろん具体的な金額は、家賃や人件費、生活費によって変わります。
ただ、開業資金=店舗を作るためだけのお金ではないということは意識しておいた方がいいと思います。
大切なのは「何にお金を使うか」
カフェ開業では、とにかく安く済ませることが正解ではありません。
反対に、たくさんお金を使えば良いお店ができるわけでもありません。
大切なのは、
何にお金を使うのか、その優先順位を決めること
です。
店舗の規模や内装、設備には必要以上のお金をかけず、
商品の価値、お客様の快適さ、作業効率、そして開業後の余力には必要なお金を使う。
そうすることで、開業時だけではなく、開業後も無理なく続けやすいお店を作れると思います。
お店を作ることがゴールではありません。
むしろ、オープンしてからがスタートです。
初めてカフェ・コーヒー店を開業する方には、**「立派なお店を作ること」より「長く続けられるお店を作ること」**を大切にしてほしいと思います。
自分の場合について整理したい方へ
「自分の場合、どこにどれくらいお金をかければいい?」
「今考えている開業資金で足りる?」
「この店舗規模で無理なく続けられる?」
といったことを一度整理したい方には、カフェ開業のお試しコンサルも行っています。
現在考えている開業計画や資金、店舗規模などを伺いながら、一緒に整理していきます。
YouTubeでも今回の内容について詳しくお話ししています。
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